「ぁ…負けた。」それが彼女を初めて観た時にわたしが呟いた言葉だった

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《蟲ふるう夜に》

出逢いは5年近く前だと思う。

まだまだ音楽活動のスタート地点にいたわたし。

あるコンテストライブで、《蟲ふるう夜に》と対バンをした。

自分のステージを終え、フロアの1番後ろから次のバンドを観ることにしたわたしは、それを観て感じた。

「ぁ…負けた。」

それは完全に、ヴォーカルの蟻ちゃんを観て感じたものだった。

2016年2月6日の今日は、《蟲ふるう夜に》の解散ライブだった。

初めての衝撃的出逢いをした直後、蟻ちゃんは雨凛を企画ライブに出演をオファーしてくれた。

もちろん返事はYESで、その企画のライブも素晴らしかった為に今でも脳裏に焼きついているし、その後の幾つかのライブも足を運び、気が付けばわたしは《蟲ふるう夜に》の、蟻ちゃんの虜だった。

……が、あるきっかけがあり、《蟲ふるう夜に》のライブに行きにくくなった時期があった。

1年くらいは、全く行かなかったと思う。

しかし暫くして、やっぱりライブに行きたくて…足を運んだ。

その日の衝撃も、覚えている…が、その衝撃は以前感じたものとは全く別の意味。

その日は……凄く驚いた。

なぜかというと、わたしが好きだった《蟲ふるう夜に》は、少し、様子が変わっていたからだ。

わたしが好きだった《蟲ふるう夜に》は、荒々しくダークで重たくて分厚い音の真ん中に、今にも喰いついてきそうな鋭い蟻ちゃんが居て、その蟻ちゃんからは狂気すら感じるけれど、本当はとても弱くて、誰よりも優しくて、光というものがどれだけ素晴らしいかを知っているように見えた。

全身全霊で、蟻ちゃんの髪の毛の先までもが、何かに取り憑かれたように歌って居て、わたしたちは表面ではなく心と心で響き合い、まるで、蟻ちゃんと自分以外は誰も居なくなってしまったように感じれた。

深い地面の奥底から煌めく空を仰ぐような音楽…そんなイメージだった。

しかし…

久々に観たそれは、爽やかで、聴きやすく、明るい四つ打ちのノリで、笑顔がたくさん溢れるバンドに変わっていたのだ。

驚きを隠せなかった。

そしてまたライブから遠去かり…

気が付けば……

「蟲ふるう夜に 終了」 というネットニュースが至る所に流れていた。

また、わたしは驚きを隠せなかった。

蟻ちゃんと直接は話をしてはいないけど、たくさんの記事を読んだ。

終了=解散

納得はいくものだったし、音楽をやめるわけではないみたいだし、きっとこれもハッピーエンドなんだろうなぁ…と1人で考えていたが、やっぱり哀しみと虚しさと絶望感はわたしの中に滞在し続けた。

昔のスタイルをせっかく変えてまでいい音楽を追求したのに、解散なのか。
じゃあ昔のスタイルを貫けば解散じゃなかったんじゃないか?

身勝手に色んなことを考えた。

だけどそんなものはわたしが考えても分からないどころか何の意味もなくて。

兎に角、最後の《蟲ふるう夜に》は観に行かねば…!と、慌てて蟻ちゃんに連絡をした。

そして、今日。

解散を観てきた。

綺麗な拓けた会場で、全席椅子があった。

長丁場だから助かるなあ…と思っていたが、いざライブが始まると座っていることも、この場から動けないことがストレスに感じる程、身体が騒いだ。

曲のアレンジが変わっていたり、演奏形態も変わっていたり、わたしが初めて観た《蟲ふるう夜に》ではなかったが、蟻ちゃんが、歌の中に飛び込みひとつの突き刺すような光になる瞬間はたまらなかった。

コレだ!と、目が勝手に見開いた。

明るい曲はやっぱりわたしにはあんまり馴染まなかったけれど(特に…わたしの1番好きなアヲイトリという曲のアレンジの変わりっぷりには開いた口が塞がらなかったけれども)、《蟲ふるう夜に》は、蟻ちゃんは、本当に、よかった。

……最後のまとめが「よかった」の4文字だなんて、テキトーなように思われるかもしれないけどそうじゃない。

言葉では、そうとしか言いようがない。

よかった。

凄まじくよかった。

あくまでこれはわたしの個人的な好みの問題であって、周りにいたたくさんのお客さんは、明るい曲でとても幸福そうな表情を浮かべ、手を上げ、聴き入っていたよ。

MC殆どなく、あっという間の2時間だった。

ライブが終わり、映像のエンドロールが終わってからも、拍手を止められる人はいなかった。

わたしが心底興奮出来る数少ないバンドがまた、ひとつなくなってしまったなぁ。

こうなると、自分の感性が間違っているような気になってくる……。

でも、今日観た蟻ちゃんも《蟲ふるう夜に》も、絶対に素晴らしかった。

昔に観た《蟲ふるう夜に》も更に素晴らしかった‼︎

そこには自信がある。

魂を動かせる音楽がなくなるのはおかしい。

商業的音楽ももちろん色んな人の心を魅了しているんだけれど、今日わたしが観たような魂共鳴させられる音楽が広まって欲しいし、もっともっと色んな人間に聴いて観て感じて欲しい。

強く強く想う。

蟲ふるう夜に

お疲れ様でした。

たくさんの興奮をありがとうございました。

2016年6月4日から、mushihuruプロジェクトとして新しく始まる活動が素敵なものであると期待していよう。

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